リレーコラム vol.1(石川)

はじめまして、メンバーの石川です。

アートを中心として、キュレーターのようなことを仕事にしています。

これから「ヨカンデザインプロジェクト」がはじまるにあたり、そして早速12月16日(土)に大阪で トークイベントをやるにあたって、そもそもなぜ「ヨカンデザインプロジェクト」がはじまったのかについて、 リレーコラムの一回目で触れておきたいと思います。正直まだまだこれからなのですがー。

直接的なきっかけはSNSでのつぶやきでした。

2020年の東京オリンピックあたりを潮目に、公的なインフラ整備や文化予算配分の山も終わりそう。既にはじまった人口減少と相まって、いよいよ社会の縮小傾向があらゆるところで顕在化するのでは?だけど明るい未来を考えたいじゃないか。「縮小」と言うとマイナスイメージがあるのかもしれないけれど、考えようによっては悪くないかも知れない。けれど世の中「縮小」を見て見ぬふりをしているように思えてしまう。 ならば来たる状況を正面から捉えて未来の選択肢を提案してみたい。ポジティブな選択肢があれば、前に進める力になるかも知れない。まずは建築系の人たちと考えてみたらどうなるだろうか。

 こんな思いをSNSに投稿し、集まったのが今のメンバーというわけです。僕の他に、地域計画、デザインリサーチ、建築設計、イラスト、大工、都市リサーチ、出版社など得意分野は様々です。 投稿したその日にSNSのグループを友人が作ってくれて、知り合いだったり、全く知らなかったりの約10名が、初めて大阪で集合するまでに三週間。そこから「ヨカンデザインプロジェクト」という名前が決まるまでに一週間。初めのSNSからウェブサイトを作るまでに六週間。初めてのトークイベントまで一ヶ月半。なかなかのスピード感はあるかも知れません。でも、SNSでのつぶやきレベルからはじまっているだけあって、コアが固まっていないというのが正直なところでなのであります。実際、僕らが名付けた「ヨカンデザインプロジェクト」という名前にある”ヨカン” が図らずも含みを持っているとおり、僕たちそれぞれが、まだ何もないところに働いた根拠のない「予感」を持って集まったと言うのが正直なところかと思います。

でも僕はあえて、この「感(勘?)」こそが、生きるものに備わった力であると信じたいと思うのです。日本で初めてノーベル物理学賞を受賞した理論物理学者の湯川秀樹さんは、「目に見えないもの」と言う著書の「物質と精神」と言う章に興味深いことを書かれています。 大雑把ですが、それはこんなことだったと思います。

物事の真理を探求するとき、自分の分野よりも哲学の方がもっと近道か、あるいは表裏一体かも知れない。一方の物理学では、仮説を立て、ひたすら実験を繰り返し検証するという長い道のりであるし、とんでもない見損ないをするかも知れない。でも僕は理論物理学者として、ともかく試してみよう。

というのです。未知の世界に人生かけて向かうことができる意志はどこからくるのかと、その根拠がなんであるかということを考えずにはいられませんでした。

僕がここ数年仕事にしてきたアートの世界でも、感性と意志を持って本当のことに向かおうとする多くのアーティストや作品に出会うことができました。その経験は「ヨカンデザインプロジェクト」にも影響しています。

僕らは集まり始めたばかりです。自分たちや次の世代の未来のことを自分たちで考え、未来の選択肢を作っていこう。そのことが共通項です!

なんだか本当のことから離れてしまいそうなモーメントがかかる世の中で、どんな動きができるのか楽しみです。

ご興味ある方、応援してくださる方、ぜひよろしくお願いいたします。



コラムページは今後、メンバーでリレー形式でアップしていきます!

次回は、友渕貴之(地域計画)のコラムです。

ヨカンデザインプロジェクト

縮小社会と悲観的に言われる時代に明るい未来を描くことが出来ないかと思い、未来についてデータを用いながら豊かな暮らしを描くための活動を行っています。 WEBやトークイベントなどを通じて、みなさんと意見交換しながら模索していければと思います。

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