リレーコラム vol.8(久保田暁子)

 はじめまして、今回のリレーコラム担当の久保田です。文化財展示に関わるお仕事に携わっています。過去から現在、未来に繋がる人と芸術とのコミュニケーションのあり方、作品の見せ方とホスピタリティのバランスを、様々な環境、立場で経験して活かすということを仕事の軸にして働いています。

 確実にすすんでいく少子高齢化、縮小していく社会の今だからこそ

今、私たちにできることはなんだろうか?

可能性や伸びしろ(ヨカン)があるのでは?

そのようなことをポジティブに模索し、議論し、活動しているヨカンデザインプロジェクト。

私自身、このプロジェクトに加わるまでは、「縮小社会」という言葉に、あまりピンときていませんでした。言葉自体に半信半疑な部分もあったと思います。

 しかし、よくよく考えてみると私の生まれ育った田舎は、言葉のまま解釈するならば、まさに「縮小社会」そのものでした。出身小学校のクラスは元々2クラスだったものが1クラスになり、中学校も空き教室が目立つ、まさに過疎化の進む地域。集落の寄合いに集まるのは高齢者ばかり。水田や畑が宅地化されても、新たに移住してきた家庭と土着の人々との交流は希薄。氏神様で催していたお祭りも、いつの間にかなくなってしまいました。

 そんな田舎の現状を両親と話している中で、これと同じようなことが、大きな社会でも起こっていることなのかもと思ったのです。町内会は大きな家族であり、小さな社会。地域としてはミニマムになりつつあるけれど、お祭りだって空き家になった古い日本家屋だって、遺し方はいろいろある筈なのに、わたしたちは活用方法に気付けてないのだろうな、と漠然とイメージを膨らませる自分がいました。スクラップ&ビルド以外にも、あるものを活かす方法はいくらでもあるはず、と。ヨカンデザインプロジェクトに関わっていなければ、聞き流していたであろう話題です。大きな変化でした。

 だからといって、地元を出て久しい自分が何か提案できるわけでもなく…一足も踏み出せていないのが現状ではあります。

 けれど、このプロジェクトを通して、様々な分野の方々と議論をしていくことで、一番身近な縮小社会=地元や日々の暮らしと向き合うことから始めて、小さくなりつつあるコミュニティの先にあるヨカンを探していくのも、きっかけとして悪くないなと感じたりしています。

 

ヨカンデザインプロジェクトってなんでしょうね?

難しく考えず、私たちと一緒に探ってみませんか?

ヨカンデザインプロジェクト

縮小社会と悲観的に言われる時代に明るい未来を描くことが出来ないかと思い、未来についてデータを用いながら豊かな暮らしを描くための活動を行っています。 WEBやトークイベントなどを通じて、みなさんと意見交換しながら模索していければと思います。

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