今回のコラムを担当する古野咲月です。普段は京都の出版社で働いています。
さて、6月でプロジェクトをスタートしてから半年が経ちます。これまでわたしたちは4回のイベントをひらいてきました。「井戸端会議」です。
第1回 2017年12月16日 @大阪府此花区 / THE BLEND APARTMENT
第2回 2018年1月21日 @東京都中央区日本橋 / 日本橋フレンド
第3回 2018年2月25日 @京都府京都市 / RAD
第4回 2018年3月25日 @和歌山県海南市冷水浦 / reshimizuura
井戸端会議は「縮小時代のくらし・生活」について、参加者が自由に発言・意見交換する場です。日本は人口縮小時代に突入したと言われていますが、実際住んでいる人の実感としてはどうか? どのような形で影響があるか? どう向き合うべきか? などを話してきました。
実は、第4回までの井戸端会議はかなり実験的な取り組みでした。初回のコラムでキュレーターの石川吉典さんが書いたように、プロジェクトが発足して約1ヶ月半という驚異的なスピードで開催されたイベントです。にも関わらず、この井戸端会議にはあらゆる方が参加してくれました。
建築設計者、学芸員、不動産仲介業者、建築や観光学の学生、文化財保護技師、行政職員、主婦、詩人、編集者、フリーの活動家 etc.
この4回(うち1回は直接参加できていませんが)だけでも強く実感できたことは、あらゆる分野の人がこの「縮小」というキーワードに対し、少なからずネガティブな課題を感じているということです。あらゆるデータから、このままいけば誰も体験したことのない「縮小(何か失うようなというイメージの)時代」がくることへの漠然とした不安感と、なお変わらない自分の生活との間に戸惑いを感じていたのです。新たな価値観の可能性や、未来の暮らしを予想したり、データと想像を行き来する活発な意見交換がありました。第4回までの井戸端会議は、戸惑いのぶつけ合いのようになっていたと思います。
今わたしたちは、これまでの井戸端会議を踏まえて、このカオスな状況を少しでも整理し、前に進むための果実を実らせるため、新たな画策を始めています。
是非これからの井戸端会議、そしてヨカンデザインプロジェクトの活動に注目いただければと思います。
次回は、学芸員の久保田暁子(くぼた・あきこ)さんです。
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