はじめまして、大工のいとうともひさです。
誰かとコラボレーションすることを軸として空間づくりの企画や施工を行っています。周りの方から旅する大工という職能でご紹介を受けることが多くなってきました。
旅する大工ってなんやねん。
という話ですが、これは「縮小社会」と密接に関わる話なので今回のコラムでは旅をすることと縮小社会との関係をお話ししたいと思います。1回目のコラムで石川さんが話していた、「2020年の東京オリンピックあたりを潮目に…いよいよ社会の縮小傾向があらゆるところで顕在化するのでは?」という話は建設業界でもよく話題に挙がります。
地域に密着して空間をつくる。これはとても大事なこと。
しかし地域だけに目を向けていては縮小していっても井の中の蛙ということもありえるのではないか。地域に密着している人と、地域を渡り歩く人とが意見を交わし合うことも必要なのではないか?ということで私は車に住みながら場所に縛られずに人と人のつながりを拠り所にして現場を渡り歩いています。
そもそも、旅が始まったのは震災以降の宮城県石巻市で工事に呼んで頂いたことでした。関西から東北まで車で移動し、もはや車は移動手段を超えて倉庫でもあり、事務所でもあり、車中泊もし、発電もできて、空調も効く。ほっと安心できる空間になりました。災害に強い車は住む場所として選択肢の1つになりました。よくどうして車で生活するのですか?と質問を頂きますが、こういった生活も普通にあり得るということを知ってもらいたいです。
これから家は、ビルは、どんどん空きが出て余っていくかもしれません。もう一度家について考え直してみることで、もっと楽しい生活があるかもしれません、人と人との暖かい繋がりがあるかもしれません「また帰っておいで」と言ってくれる人たちがいます。そしていつでもただいまと言える場所があれば、それは家の形をしていなくても家なんじゃないかなと、思ったりします。
縮小社会を楽しんでいこう!と前向きな未来を多くの人と話し合える場所としてヨカンデザインプロジェクトに参加させて頂いています。
0コメント